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  • 2014.11.03 Monday
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書評『家族ゲーム』(9)

評価:
鈴城 芹
アスキー・メディアワークス
¥ 819
(2012-06-27)
コメント: 交わり積み重なる物語も6年目、とうとうメインカップルが誕生だ。

「ちょっ、君だれだっ!?」
 って、冒頭からなってしまった。
 なんの話かと言えば、『家族ゲーム』(9)である。1巻の発売から6年弱、中学生と小学生だったヒロイン姉妹も大学生と高校生になり、双方とも恋愛模様にゴールが見えてきた。
 始まった当初はこんな、右を見ても左を見てもカップルだらけの作品じゃなかったんだがなあ……時の流れは偉大で、残酷だ。むしろ未だ特定の相手がいないレギュラーメンバーが、不憫に思えてくるほどである。
 既にゴールイン済みのメンツも、それぞれに微笑ましかったり生々しかったりするイチャコラ模様を垣間見せ、実にムカつ……いや、うらやましい。
 一方、新たにスタートラインに立ったキャラも現れ、ゲームを軸とした人と人との繋がりが、どんどん深く広くなっていく。それはまさに、家族が増えていくさまそのものではなかろうか。

 それにしても……かつてゲーオタだった、独身男が問いたい。世間の男女って、そんな簡単(……とはいっていないが、頻繁)に、くっつくものなの?
JUGEMテーマ:4コマ一般

書評『ただいまのうた』(1)〜(4)

評価:
ふじもと ゆうき
白泉社
¥ 420
(2009-12-18)
コメント: かえろう。みんな待ってる、あの家に。笑えて泣ける、ほっこり家族物語。

 少年マンガ・青年マンガと来たら、少女マンガのレビューもやっておかなければ……と思っていたのに、アニメ感想に押し流され幾星霜。ようやっとで取り上げるのは、花ゆめ系でいま一番好きな『ただいまのうた』だ。

 主人公・向日葵は両親を亡くし、兄妹五人と犬一匹で暮らす、花寺家の紅一点。破天荒な二人の兄としっかりし過ぎな長弟、泣き虫の末弟(+愛犬)に囲まれ、少し貧乏だけれど明るく楽しく生活している。
 少女マンガで家族ものと言われれば、年の離れた美形の兄と禁断愛……などと歪んだ思い込みも喚起しそうなものだが、この作品はあくまでホームコメディ。それぞれ一癖ある兄弟たちに振り回されたり助けられたりしつつ、向日葵は日常や学校のイベントを体験していく。
 毎回のエピソードもけして大きな話ではなく、気になる同級生の訪問を保護欲に駆られた兄が過剰に迎え撃ったり、町内対抗運動会で活躍したり。あるいはただ「久しぶりにお肉が食べたい」と、スーパーの福引きでお肉盛り合わせを狙うだけの話があったり。

 手あかがベッタベタにつきまくっていて、逆に良い風合いを醸し出していそうな展開が続く、この作品。しかしその根底には登場人物たちが亡くした両親を思い、互いを思い合う、優しい優しい気持ちが流れている。それが、読んでいて実に心地よいのだ。
 自分が知らない意外な顔を知り、あるいは思いもよらず再発見した魅力に気づいた、柔らかい笑みに。
 痛みが思いやりに変わり、知らず知らず周囲の人間を感化して、それが返ってくる様に。
 そして交わす、「ただいま」「おかえり」の言葉に。
 普段はしまい込んでいる”情”が掘り起こされて、知らず涙腺が緩んでしまう。折に触れ向日葵の心に蘇る、優しい両親との思い出。それが大切な宝物のように取り出される時の、切なくも慈しみに満ちた表情が、たまらなく愛おしい。
 どちらかと言えばシンプルで余白の多い絵柄なのに、細やかな機微が伝わってくる、魅力的な作風だ。少し困ったように目を細め、恋しい気持ちで浮かべる笑みが、するっと心に入ってくる。

 刊行ペースの遅い作品であるが、その分ひとに勧めやすいというのが、密かなジレンマ。
 同じ作者の『キラメキ☆銀河町商店街』や『となりのメガネ君。』は、この作品を知ってから読んだのだけれど、どちらもそれぞれに魅力的な作品だ。続刊が待ちきれない時は、遡って読んでいただきたい。


書評『花もて語れ』(1)〜(4)

評価:
片山 ユキオ
小学館
¥ 570
(2010-09-30)
コメント:泣きたかったら、走ればいい。かそけくではなく、花もて語る朗読者の疾走に、魂が震える。

 読まねば、読まねば……と思っていたのに縁遠いまま、いつの間にか4巻まで発売されていた、このマンガ。ようやく一気購入、一斉読破できた。
 そして結果論だが、4冊一気読みできて、本当に良かった。と言うのも、本作はこの4巻をもって月刊連載分が終了し、次巻より週刊連載に移行する。そのため、ちょうど区切りのエピソードが、最後まで収録されているからだ。
 また、1巻と2巻にまたがるエピソードである『やまなし』は、一応ちょうど一息つける部分で分けられているが、やはり一気に読んだ方が面白い。まあそれを言えば大概の作品は、まとめ読みの方が面白いわけだが。

 様々なランキングやブログやでさんざっぱら取り上げられているように、『花もて語れ』は「朗読」という珍しいテーマを題材にしている。と言っても朗読コンテストで優勝を目指すとか、朗読部に入ってまったり日常を過ごすといった作品ではない。
 物語を声に出して読み、他人に聞かせる。この行為がどれだけ人の魂を震わせるか、そして魂を震わせるというのがどういうことなのか、それを描いたマンガなのである。
 この作品において朗読とは、常に双方向のものとして描かれている。スポーツマンガで喩えるなら、勝負の行方やひとつひとつのプレーを描くとともに、居合わせた観客の興奮や感動をも丹念にすくい上げているのだ。
 1巻冒頭のエピソードでは、主人公が学芸会のナレーション役で「伝える」ことの感動を知り、一方で共演者や観客は「伝わった」ことに感動する。先に触れた1巻と2巻にまたがるエピソードでは、読み聞かせる主人公よりむしろ、聴き手たる女性の方に物語の主軸が置かれていた。
 作品中でも、朗読において「視点の転換」は重要であると説かれている。そして『花もて語れ』というマンガ自体が、極めて巧みに「視点の転換」を行うことで、朗読のなにが凄いのか、凄い朗読とはどういったものなのか、読者に鮮烈に教えてくれるのである。

 また物語の構造のみならず、マンガの命である絵においても、この作品には際立った特徴がある。コミックナタリーのインタビューに詳しいが、朗読のシーンでは画風どころか画材自体を変化させ、それを作品上で合成させるという手法を取っているのだ。
 ここまでするならいっそデジタル化した方が……と思わなくもないのだが、そこは著者の拘りなのだろう。そんな著者の片山ユキヲ、『うしおととら』の藤田和日郎の弟子であるだけに、ここ一番の画力は凄まじいものがある。
 重要なのは「上手い絵」ではなく「必要な絵」であることは、師である藤田作品において十全に発揮されるが、弟子も負けていない。前出のインタビュー記事でも触れられているように、見上げた視点を突き割り刺さるカワセミのくちばし、その迫力たるや正に槍のごとしだ。
 著者は自身を「かわいい女の子とか描けないんです、絵が下手で」と評するが、その場面に必要な絵を描く能力に長けているからこそ、泣き笑いする主人公は愛らしい。そう、それは「かわいい女の子」そのものではないか。

 幼い頃に出会った朗読と再会し、動き始めた主人公の物語は、4巻においてひとつ区切りを迎えた。彼女の気弱さを払底するイベントを経て、今後どのような変化が訪れるのか。そして朗読の更なる魅力は、どう描かれるのか。
 週刊連載となって著者は大変だろうが、早く続刊が読みたくて仕方がない作品である。


書評 『デジモンクロスウォーズ』(3)

評価:
中島 諭宇樹
集英社
¥ 480
(2011-11-04)
コメント: 巻き込まれたからじゃなく、飛び込んだから。夢を「ほっとけない」少年の、新たな覚悟に震わされる。

 折角ブログを開設したのに記事が一つだけでは寂しいので、 既刊本のレビューでも。
 なにを取り上げるか迷ったが、今オレの中で一番アツいのは、つい先日に本誌連載が堂々の完結を迎えたこの作品だろう。
 テレビアニメシリーズも(色々問題を孕みつつ)完結したが、マンガ版は完全に別物。著者・中島諭宇樹は前作『エレメントハンター』でも見事な原作の消化・進化を成し遂げてみせたが、本作においてその進化度合いは更に凄みを増している。
 なぜ戦うか? なぜ助けるか? 物語に対する主人公の根元を丁寧に、しかし、くどくならないよう描写した上で、その対比としてライバルやヒロインの姿勢も浮き彫りにする。「なぜ勝てるか」を説明できる作品は多くとも、「なぜ勝とうとするのか」を十全に説明し得る作品は、実は少ないのではなかろうか。
 今巻のエピソードは、全体を通してみれば寄り道的な物語であり、戦争(ウォーズ)の本筋からは外れるだろう。その分、アニメ本編や過去作からのゲストキャラクターが多数登場し、にやりとさせられる台詞が頻出する展開を、存分に楽しむことができる。
 そして今巻でばらまかれた伏線が回収され、昇華される、続刊にして最終巻の発売は5月2日。単行本派の皆さん、心して待て。きっと、震えるぞ!
JUGEMテーマ:デジモンシリーズ

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